Categories: コラム

ドラマ「石子と羽男」

これは現在TBSで金曜日に放送中のドラマであり、私が毎週楽しみにしている中のひとつである。

東大卒のパラリーガル「石子」こと石田硝子(有村架純さん)と、

高卒の弁護士「羽男」こと羽根岡佳男(中村倫也さん)が、

バディを組み、決して大事件ではなく、日常の些細なトラブルを、法を介して解決していくといったストーリーだ。

実はこの二人、コンプレックスを抱えた者同士であり、一見かみ合わないように思えるのだが、

それが逆に回を重ねるごとに、うまくバランスがとれていくのである。

石子は、4回も司法試験に落ちているのだが、真面目でコツコツ派、信念のある女性パラリーガル。

一方、羽男は、高卒だが司法試験には一発合格。3万人に1人と言われている「フォトグラフィックメモリー」の持ち主であり、その能力で合格したといっても過言ではない。

ちなみに「フォトグラフィックメモリー」とは、簡単に言えば、目の前の風景や文字などを瞬時に記憶する能力である。

これは、発達障害(学習障害)の部類に入るのではないだろうか。

しかし良いことばかりではない。

嫌なことも鮮明に記憶してしまいしんどくなったり、

イレギュラー対応ができずフリーズしてしまう、

例えば対人コミュニケーションスキルが非常に乏しいといったデメリットが大きい。

これは弁護士としては致命的と言えるのだが、その自覚がありつつ弁護士を続けていく葛藤を表す中村倫也さんの演技にも注目である。

意見が衝突する時もあるのだが、徐々に羽男が自分の弱さを吐露し始め、石子を頼りにしていくシーンに、私はしばしば胸を打たれた。

また、石子はそんな羽男のことを馬鹿にすることなく、むしろ膨大な法律の知識量や、弱いながらも何とか弁護士の仕事を全うしようとするところをリスペクトしつつあるようだ。

現実的に些細なトラブルを、法を介して人間の弱さやそれに向かっていく強さを描いているこのドラマ、一見ありがちなテイストになるところを、

RADWIMPSが唄う「人間ごっご」が最後の方に流れることで、どことなく幻想的で、法律を題材としたドラマとは全く違うテイストに仕上がっている。

最初は何気なく観ていたのだが、これを観ると少しポジティブになれる自分がいた。

果たして、2人は恋愛に発展するのだろうか?

cooldown2021

Recent Posts

「トロッコ問題」から思うこと

   広告 【トロッコ問題】 …

3週間 ago

「JANE DOE(ジェーンドゥ)」に魅了され

   広告 先日たまたま車で耳…

2か月 ago

「バニスター効果」って?

     広告 皆は、「バニス…

3か月 ago

「終わり」を意識することの重要性

広告 何かを始める時に、人は大…

6か月 ago

同調圧力からの回避

    広告 学校での会議、職…

7か月 ago

「クーエの暗示法」〜どうせ考えるならポジティブに〜

  広告 あるフランスの町での…

7か月 ago