
あるフランスの町での話。
そこにエミール・クーエという薬剤師が開業していた。
ある日、ひとりの男性が、「薬を欲しいから売ってくれ」と頼んだ。
しかしクーエの元にある薬は、たまたま使用期限が過ぎており、色も褪せていた。
クーエはその男性に事情を説明し、「売るわけにはいかない」と答えた。
するとその男性は、「その名前の薬は効くことを知っている。古くなっていても良いから売ってほしい」と懇願した。
クーエは、「分かった。でも責任は取れないから」と答えて、結局販売したのである。
後日、クーエの元にその男性が現れた。
その男性、「先日売ってもらったあの薬。おかげで病気が治った」とお礼を言って立ち去っていった。
クーエは頭をかかえた。
「なぜ効かないはずの薬が効いたんだ?」と。
そこでクーエはある仮説を打ち立てた。
【あの男性には”薬を飲めば病気は必ず治る”という意識が働いていたからではなだろうか?】と。
これらを【クーエの暗示法】という。
また【プラシーボ(偽薬)効果】はその一例である。
この【クーエの暗示法】の原則は2つ。
①人は一度に2つのことを考えられない。
ポジティブな考えとネガティブな考えは共存できない(だったら、ポジティブに考えた方が得)。
②心に満たされたいかなる思いは、現実となり行動に変わる。
つまり常に「自分はできる」という肯定的な思いを抱く、または常に唱えることで、不安は消え、そして抱えている問題も消えていくということ。
仕事や日常生活においての【できる・できない】。
つまり、これらは過去の経験や自信の有無から来る【思いこみ(バイアス)】なのである。

新たな職場で不安な人
新たな生活環境で暮らし始めた人
恋愛や人間関係で悩んでいる人
重大な病気と闘っている人
もしあなたが、今、全く楽しめなかったり、不安に押しつぶされそうだったりする状態、つまりネガティブな思考に支配されているのであれば、
毎日、リラックスしているタイミングで、「私は毎日あらゆる面でますます良くなっている」を20回、唱えてみると良い。
そうやって自分に暗示をかけてみる。
「どうせそんなこと効果なんてないよ」
そのように思うの無理もない。
しかし、実践してみなけりゃ分からないし、継続してみなけりゃ分からないことだってある。
これはやった人だけが見えてくるかもしれない風景。
やがて脳があなたに味方する日が来るのかも?
やるかやらないかは…… 自分次第。