あなたの周りの個性的な人たち

世の中は皆、外見や性格は異なる。似ている人はいても全く同じ人など存在しない。そしてその中で、我々は個性的な人に遭遇することがある。

例えば私が出会ってきた人の例で言うと、

・奇抜なファッションの人 (場にそぐわない季節感の無い服装)

・毎日同じ物しか食べない人 (特定の物や人などに固執する人) 

・寸分狂わず、毎日同じ時間に行動する人

・一方的にずっと話をし続ける人(会話のキャッチボールができない人)

・いつも遅刻をする人

・手持ち無沙汰が苦痛な人

・感受性が強く、勘が鋭い人

・見通しや期限を設定すると頑張れる人

・集団行動が苦手な人

・相手のことを考えずズバズバ物を言う人 

・身振り手振りが度を越している人

・文字のバランスが極端に悪い人

・いつも物をなくしてしまう人

・収集癖がある人

・物のたとえや言い回しの意味が分からず  字義どおりに解釈する人

・物の例えが上手な人(表現力豊かな人) 

・物や人へのこだわりが強い人(執着心の強い人)

・ケアレスミスが多い人

・いつも道に迷って、なかなか目的地にたどり着けない人

・整理整頓ができない人(捨てることができない人)

・思い立ったらすぐに行動する人(落ち着きのない人)

・相手の立場になって考えられない人

・物事を常に後回しにする人

・世間話が苦手な人

・記憶力が異常に高い人

・色彩感覚が豊かな人

・超合理的な人(無駄が嫌いな人) 

・スケジューリングが苦手な人(先を読むのが苦手な人) 

・想像力、創造力の有無が極端な人 

・物の在庫があればあるほど安心する人 

・何時間も物事に集中できる人

どうだろう。こんな感じの人が、あなたの 身の周りに存在してはないだろうか?

また、以下のようなエピソードもある。

・「自転車を逆にしといて」という指示に対し、上下逆さまにして「これで良かったですか?」と聞く人。

・「100円を10円に交換しといて」という 指示に対し、「何てもったいない!!」と言って驚く人。

・「良かったらいつでも遊びに来て!」と言われたから、早朝の6時に相手の家を訪ね「常識考えてよ!!」と怒られる人。

これらは、言葉を字義どおりに解釈してしまう人の例である。 

ここで「サリーとアンの課題」という有名な心理検査を紹介しよう。

①サリーとアンが立っている。そこにはリンゴとカゴと箱がある。  

  ↓  

②アンが、サリーの視界に入る状態でリンゴをカゴに隠す。  

  ↓  

③サリーが退室する。その際に、アンはリンゴをカゴから箱へ移し替えておく。 

★問題

戻って来たサリーは、まずどこからリンゴを探し始めるだろうか?

という内容。さて、あなたならどう考える?

ちなみにこの心の理論(相手の心を類推する力)は、未就学児(概ね4歳~5歳)で身につく力であるが、これが理解できない人がいる。

もうお気づきだろう。そう、これらはいわゆる「発達障害」に多くみられる特性である。

発達障害といっても、学習障害、ADHD、自閉スペクトラム症とそれぞれの特性があり、それが重なる場合もある。

ここで注意しておきたいのだが「発達」の特性があるからといって、それがイコール「障害」というわけではない。「障害」とはその名のとおり、日常生活やコミュニケーションがうまくいかないから「障害」なのである。

 「発達障害」とは、あくまで「発達の特性」により「適応障害(うつや統合失調症)」が発症している状態を言うのであって、

たとえ特性が顕著であっても、理解してくれる人や助けてくれる人が周りにいたり、その人にマッチしている環境であれば、それはもはや「障害」とは言わない。

自分の中で「何か自分は変だ。ふわっとしている。何か生きづらい」という人。でも大きな問題もなく、何とか生きてこれている人。

そのような人は「発達の特性」がある可能性が高い、いわゆる「グレーゾーン」の人たちだ。

個性(性格)と発達障害、これを厳密に線引きするのは正直難しいと思える。

しかし決してネガティブに捉える必要はない。

なぜなら、その特性にはプラスに働くものも多いからだ。

上記に箇条書きにした特性の内容の中にはマイナスだけでなくプラスのものもあったはずである。それに気づいただろうか?

どんな分野においても、平均的な能力を持ち合わせている人が存在しているのと同様に、能力に偏り(凸凹)がある人も存在する。

それが極端な人がいわゆる「発達の特性(傾向)がある人」となる。

苦手なことに着目するのではなく、得意なことで勝負すれば良い。

「得意」とは、人と比べての「得意」である必要はない。自分の中で「得意だなあ」「得意かも」のレベルで充分である。それをどんどん磨いていけば良いのだ。

「自分を知る」「自分を理解する」のは、早ければ早いほど良い。そうすることで、幅が広がる、選択肢が増える、道が開ける、そして人生が良い方向に転がっていく。

「人生それに気づいた者勝ち」であると、私は思っている。

ある外国の学者は「世の中の文化を形成してきたのは発達障害者の力が大きい」とさえ言っている。

自分の良い特性に着目しよう。

そしてひたすらその特性を磨いていき、人生を渡り歩く武器にしよう。

ポジティブに考えよう。