認知的不協和

「認知的不協和」とは、個人の持つある認知と他の認知の間に矛盾や不調和が生じ、それを解消させる為に認知や行動を変化させる理論である。

これはアメリカの心理学者、レオン・フェスティンガーによって提唱された。

この有名な例としては、

「タバコが有害なものとの認識があるにも関わらず、やめられない」という認知の矛盾である。

これが一致すると「有害だから禁煙する」になるはず。しかしニコチンの作用でそうそう簡単にはやめられないので、喫煙者は「やめる(禁煙する)」変化よりも、「有害なものではないはず」との情報を集めだす。そっちのほうが楽だからだ。

これはつまり、「タバコは有害ではないから喫煙していても大丈夫」との一致を導き出したいが為に、「それを証明する情報を収集する」という行動に至った結果である。

次に良い例を述べたい。

例えば「しんどいと思うときや憂鬱な時に笑顔を作る」ことだ。

朝学校や会社に行く、これらが憂鬱な時、鏡では冴えない顔の自分を見る。この時点では矛盾は生じていない。

一方、朝気持ちはしんどいのに、鏡の自分を笑顔にする。これは「矛盾」に該当する。

こうなると脳が違和感をいだき、しんどかった気持ちが、笑顔の自分に引っ張られ、いつの間にか気持ちも楽になっていく。

他にも「根拠なき自信」の重要性を説く著名人も多い。

これは自信がないから「何事もうまくいかない」というネガティブな現実と、根拠もないのに「何だかうまく行く気がする」というポジティブシンキングの矛盾の状態をあえて作り出すことによって、自然と努力する方に向かい、成功する可能性が高まるという例である。

これらをうまく利用すれば、人生はより良いものになっていく。

ぜひ試していただきたい。